墓じまいをした霊園へ訪れると墓石だけではなく、細長い木の板も視界に飛び込んできます。木には黒い墨で不思議な文字が書かれていますが、読もうとしても何が書いてあるかほとんど読めません。お墓の後ろ側にさりげなくある木の板には名前があり、塔婆と呼ばれることもありますが、正式名称は卒塔婆です。なぜ立派な墓石のあるお墓に、薄い木の板を立てるのか、多くの人は不思議に感じます。ご先祖様たち、故人のために立てられており、簡単に言うと追善供養です。板の形状をしている卒塔婆を、お墓の周りに立てる卒塔婆供養は、善行を積むことになるとされています。ご先祖様たちにとって卒塔婆供養をすることは、成仏にもつながることから、卒塔婆を立てるお墓は多いです。ほとんどの人には読み解くことは出来ませんが、卒塔婆の文字には様々な意味が含まれています。故人の戒名をはじめ施主名、宗派により内容は異なるものの、経文も卒塔婆にかかれる内容です。密教と一緒に日本にも伝わった梵字に、没年月日及び供養年月日も書かれています。 |